台風や災害が起こる避難勧告や避難指示が出ますが、
「この差の違いってなんなの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
そこで、今回は避難勧告と避難指示の差についてお伝えします。
どっちのレベルが高いんでしょうか?
避難準備と避難命令についてもわかりやすくまとめてみましたので、チェックしておいてくださいね。
避難勧告と避難指示の差は?
まずこの避難勧告や避難指示は警戒レベルを示しています。
内閣府政策統括官(防災担当)が定めている
「避難勧告等に関するガイドライン」がもととなっています。
では、避難勧告と避難指示の差ですが、避難勧告、避難指示ともに、警戒レベルは4です。
その差は被害勧告のほうが強い気がするかもしれませんが、実は避難指示のほうが緊急度が高く、意味合いとしても強いです。
避難勧告とは?
全ての住人に避難を促すのが「避難勧告」になります。
拘束力はありません。
地方自治体が発令するものであり、対象地域の住民に安全な場所への避難を促します。
避難勧告が出された地域の方々は、安全な公民館や小中学校などの避難場所に避難するようにしたほうがよろしいかと思います。
こちらが避難勧告発令の伝達文です。
例は洪水時
緊急放送、緊急放送、警戒レベル4、避難開始。緊急放送、緊急放送、警戒レベル4、避難開始。
こちらは、○○市です。
○○地区に洪水に関する警戒レベル4、避難勧告を発令しました
○○川が氾濫するおそれのある水位に到達しました。
速やかに全員避難を開始してください。
避難場所への避難が危険な場合は、近くの安全な場所に避難するか、屋内の高いところに避難してください。
一方、避難指示は避難勧告とどのような違いあるのでしょうか?
避難指示とは?
火災・洪水などにより著しい危険が切迫している時に出されます。
避難しないと本当に危険が迫っているレベルになります。
発令の伝達文も避難勧告とは少々異なります。
こちらが避難指示の伝達文です。
同じように洪水の場合ですが避難指示の場合はこのようになります。
緊急放送、緊急放送、警戒レベル4、直ちに避難。緊急放送、緊急放送、警戒レベル4、直ちに避難。
こちらは、○○市です。
○○地区に洪水に関する警戒レベル4、避難指示を発令しました。
○○川の水位が堤防を越えるおそれがあります。
未だ避難できていない方は、緊急に避難をしてください。
避難場所への避難が危険な場合は、近くの安全な場所に緊急に避難するか、屋内の高いところに緊急に避難してください。
直ちにという言葉は付け加えられました。
ただ、避難勧告も避難指示も強制力はありません。
避難しないからといって罰則を与えられることはありません。
ですが、身の危険が迫っている状態ですので、避難勧告もしくは避難指示が出た場合には速やかに安全な場所に避難するようにした方がよろしいかと思います。
大丈夫、大丈夫!
なんて高をくくっていると、えらい目に遭いますよ。
自宅から離れたなくないという方もいるかと思いますが、
ご家族が心配されるので、まずは避難して命を第一に考えたほうがよろしいかと思います。
いかがでしょうか?
避難勧告と避難指示の違いはおわかり頂けたでしょうか?
実は避難勧告と避難指示以外にも、避難準備もあります。
また避難命令という言葉も聞いたことがあるかと思います。
避難準備と避難命令の違いについてもお伝えしておきますね。
避難準備と避難命令の違いは?
避難準備とは?
避難準備は警戒レベル3です。
避難に時間のかかる高齢者や障害をお持ちの方等に避難開始を促すものになります。
またそれ以外の方はいつでも避難できる準備をしてください、
という意味になります。
避難準備の伝達文はこちらになります。
緊急放送、緊急放送、警戒レベル3、高齢者等避難開始。
こちらは、○○市です。
○○地区に洪水に関する警戒レベル3、避難準備・高齢者等避難開始を発令しました。
○○川が氾濫するおそれのある水位に近づいています。
お年寄りの方など避難に時間のかかる方は、避難を開始してください。
それ以外の方については、避難の準備を整え、気象情報に注意して、危険だと思ったら早めに避難してください。
特に、川沿いにお住まいの方(急激に水位が上昇する等、早めの避難が必要となる地区がある場合に言及)については、避難してください。
避難場所への避難が困難な場合は、近くの安全な場所に避難してください。
すぐに避難しなくていいレベルではありますが、危険が迫っていることにはかわりません。
すぐに避難できる準備をしていおくことをオススメします。
さて、避難命令は避難準備や避難勧告、避難指示とはどう違うのでしょうか?
避難命令とは?
命令のほうが指示や勧告より強い印象をお持ちかと思います。
ですが、避難命令という警戒レベルはありません。
ただ、この避難命令に該当するのは、「警戒区域への指定」です。
避難指示の次のレベルになります。
警戒区域への立入りを制限するもので、罰則も定められていますので、強制的に避難しなければなりません。
過去にはこのような際に適用されています。
2008年5月18日指定
調布市国領町・八雲台の一部(不発弾処理のため)
2011年4月22日-2013年5月27日
東日本大震災における福島第一原子力発電所事故(原子力発電所から半径20km以内。)
2011年9月16日-12月3日
2011年台風第12号およびそれ以降の集中豪雨に伴うせき止め湖決壊のおそれ(奈良県十津川村、野迫川村、五條市大塔町、和歌山県田辺市のそれぞれ一部地区)
2016年4月23日-
2016年4月14日以降に連続して発生した熊本地震および同月21日などの降雨による土砂災害のおそれ(熊本県宇土市の一部。)
2017年5月23日-
大分県豊後大野市朝地町の一部地区(地割れ拡大による地すべりの恐れ)
他には、
雲仙普賢岳・平成新山周囲
桜島(山頂火口および昭和火口から半径2km以内の地域)
浅間山(火口から半径500m、2km、4km以内の地域。一部登山道を除く)
これらの地域では今でも適用されています。
避難勧告と避難指示の差まとめ
避難勧告と避難指示の差について、お伝えいたしました。
ちなみに
警戒レベル1
防災気象情報等の最新情報に注意するなど、災害への心構
えを高める。
注意喚起
警戒レベル2
避難に備え自らの避難行動を確認する。
注意報
こちらの図がわかりやすいですね。
緊急性や危険性を整理しますね。
注意喚起
↓
注意報
↓
避難準備・高齢者等避難開始
↓
避難勧告
↓
避難指示(緊急)
↓
避難命令(警戒区域への指定)
この上記の発令の判断は地方自治体(市区町村長)になりますので、あなたのお住いの地域によって判断基準が異なります。
お住まいの市区町村のホームページや報道をチェックするようにしてください。
自然災害には敵いません。
自然の前では人間は無力です。
抗おうとせず、避難することを強くオススメいたします。
避難勧告、避難指示がでた地域で大きな被害が出ないことを願っています。
最後まで読んでいただき有難うございました。